ぺんてる文具台湾での開拓史 – 陳榮和の台湾美術とぺんてるへの貢献

台湾のハードコア世代の画家、特に教育現場に関わっている先生たちは皆 ぺんてる（Pentel）の提供した画材や雑誌との関わりがあり、ぺんてるが台湾に進出してからの開拓市場で、教師の間の主要な媒介者こそ陳榮和であった。彼の情熱的な対談は、数多くの画家たちに慕われている。水彩を売る以外に、日本名画家萩野健児と宮城健盛が台湾のために白紙だった一般の絵画に美しい色彩を残しました……       

                                                                                                                                                                                                                                                        黃于玲の陳榮和訪問記事　日時: 2001.7.18

酒国の王井上と女国の王西川は蛭川という社長の親戚であり、舞国の王山元さんまでもが、ぺんてる(Pentel)美術文具用品の台湾以上での開拓史に関わり、台湾美術史のおよそ半分に関わっている。

一瓶の清水にピンクを混ぜれば、その清水はピンク色の水になる；年配の画家が若い頃の台湾画が単純でまだ未開発だった時期、Pentelが台湾プロモーション業務に美術員以外の業務員の派遣を経由し台湾の各学校の美術教師及び著名な画家と深く関わり、彼らは絵画顔料と絵画用品を持ってきただけでなく、さらに具象画や抽象画のデモンストレーションももたらし、ある種の世間の常識にとらわれない生活方式となった。

和服を着て国民政府街を遊走

酒国の王井上さんと楊三郎世代の年配画家が組み合わさり、この台湾のPentelの第一人者は、お酒が飲めるだけでなく前者の画家の飲む量と互角になるほど飲めるほか、台湾に非常に印象的だった事蹟、第一回日本の著名な油絵画家宮本三郎の台湾個展を開催した。宮本三郎個展が数十年前に台北中山堂にて開催されたとき、彼の有名なヌード・リアリスティックな油絵原画が台湾人の前に現れた時、画展責任者はPentel台湾代表の井上さんとなり、このような油絵展は日本Pentel株式会社はある計画を実行した─美術品を売るために、先に文化灌漑の仕事をしなければならない。美術芸術のない地方には美術用品を売ることは出来ないからである。この時日本政権は台湾を撤退し、 井上は未だに古い和服を着て下駄を履き国民政府の街頭であちこち歩き回り、一方で彼もまた排尿の場所を選ばなかったという一面もあり皆彼を変わり者として見ていた。

宮本三郎個展が台北で順調に出展されたのち、南部の高雄まで続けて出展され会場の準備が終わったのは良いが、高雄警察局に1点の作品の出展が規制された。理由はヌード画を出展すると善良な風俗を破壊するため、禁止にしたのだ。この時高雄美術に関わりのある人々が争いを始めた。彼らは、なぜ台北は規制されていないのに高雄は規制されるのか？高雄美術文化の方が一歩遅れているからなのか？と言った。新聞が攻撃を始め、美術作品に関わらず風化を指摘した；その後画展は予定通りに開催された。それは高雄絵画は未開発でないことを表していた。 初期のホームランパステル・Pentel水彩・美色染めパステル及び幾つかの児童絵画コンテストはすべてPentelがもたらしたのだった。社長の堀江さんは、ゼロからのスタートであり今の台湾Pentel工場の経営の重点は、絵を描くことからシャープペンシル等に切り替わり、社員は3000名以上いる。初期のリバティ総代理店が高雄錦裕雑貨専門家や台南百祥行商店まで広がり…… Pentelの台湾でようやく自立したのであった。 

Pentel台湾の初代代表の井上の次に代表を任された西川は、女国の王でありギターを弾く。西川の台湾プロモーション業務は一本のギターを頼りに、年配画家の張義雄と親しい友人となり、彼がギターを弾くたびに周囲の女性はクレパスが溶けたように一人一人柔らかくなり、彼は恋愛では順風満帆で、女性との交際を世界記録を作ることとして捉え、L.Cを発行するたびに女の子をお茶に誘い自分をいたわる；一度友達を送りに光華号ディーゼル特急車に乗ったときに美しい女性の乗務員を見かけ、その後南北を往復するときは一貫して光華号に乗り、夢に見た女性との再会に期待していた。

美術教師が女性のヌード画を描き始める

おそらく、三代目の代表の蛭川さんは自分自身を頼りに努力で業績を創始し、比較的台湾美術界の人々に慕われていた。蛭川時代、マーカーペンを12色出し、字を書くだけでなく絵を描くこともできることを発見し、彼は宮城健盛に来ていただきマーカーペンの使用方法と描き方のデモンストレーションを行った。琉球人の宮城健盛は東京芸大を卒業したのち、旺玄絵画琉球地区の会長を務め、琉球大学芸術部美工科主任となり、画家兼美術教育専門家である。彼は様々な絵を描くことができ、台北西門町電器街（おそらく精工舎）で画展を開催した；当然、各校で絵画技法のデモンストレーションを行うのは台湾での主要な仕事である。

毎回絵画のデモンストレーションを行うとき、最も特別なのが彼の周りには一人の琉球女性がいて彼女はヌードモデルとなった琉球女性で、当時の台湾の保守的な年代の中で、画家の人の体を描きたいという欲望を満たしてくれていた。夏に、この琉球女性と画家は碧潭に行きボートに乗り、天気が熱かったので泳ぎたくなったのだが「君は服を持ってきていないよ。」と画家が指摘しようとしたのだが、彼女はすでに青い湖の中で泳いでいた；しばらくして彼女が水の中から顔を出し、全身濡れたまま船の上まで上がりにっこり笑ってこう言った：「大丈夫、風が吹けば乾くから。」

あなたのご主人は台湾では私の夫である

日本画・透明水彩画から不透明水彩画・アクリル画は、Pentelが台湾で儲けたらこれもまた社会に還元する。彼らは技法のデモンストレーションを行いながらAtelier、藝術新潮などから自己出版の美育文化等の美術雑誌を無料で台湾の美術教師や画家に送り読んでもらった；こちらの方面からすれば、彼らも本当に一流の商人である。

蛭川の直後に代表に就任したのが山元である。この弱腰で、感性で、非常に豊かな才能を持っている酒国の王は、九州大学農学部を卒業し、酒を飲んだりダンスをしたり恋愛をしていた。前述の西川と異なるのが、彼は偽りのない気持ちで、そのために仕事をも失った。山元のPR活動の腕前は他の代表の誰にも劣らず、ただ勇気と大胆さは少し劣っていた。彼の本領はダンスであり失業時にはダンスの先生として生活を維持するという手もあったが、最終的に彼はやはりPentel衛星工場の職に戻った。

山元が台湾開拓美術用品業務を行っているとき、ダンスホールで一人の中年の女性と知り合った。この独身女性には3人の彼女によって育てられた娘がおり、日本商社の代表との交際で、彼女は愛情の気持ちを表し、同時に愛情の付帯条件、家と生活費も表した。山元の台湾画家の友人が、あなたはくれぐれも行ってはならない、給料がどんなに奥手も愛情の付帯条件には足りない、と説得した。躊躇する中、山元の妻から、日本を訪問したときから長い間他の夫を探していたとの電話があった。弱腰な山元は急いで画家の友人の陳榮和と相談し、とりあえずアスターホテルに2週間泊まるという結論を出した。山元の妻がアスターホテルで主人と再会し、一切を審議の結果に合わ せて進めた。しかしどういうわけか、二日目で山元はガールフレンドを呼び寄せて妻にこう言った：「この人はこれから私に代わって料理をしてくれるおばちゃんだ！」 

女性が女性を見るとき、一目で全てを見透かしたように、ガールフレンドが帰った後、妻はこう問いかけた：「なんで料理のおばちゃんがあんなに粧し込んでるの、実は彼女はあなたのガールフレンドなんじゃないの？」と。台湾の画家で友人の陳榮和は山元が馬鹿なので、これから相談に乗ることはなかった；二人の女性の争いも山元が絵描き用の顔料を売ることで穏やかな生活に進展した。「山元はあなたの日本での夫で、でも彼が台湾にいるときは彼は私のもの。」「言語道断！」山元の妻は夫に向かうと、山元は怒り焦った。「どうして俺の気持ちがわからないのか？俺が台湾で苦労してお金を稼いで、あんたたち妻子に日本で安心して生活をさせているのに、あんたは俺が一人で台湾にいてどれだけ孤独か分かるか？食事は全部この女性が作ってくれるんだよ！」愛情によって思考がおかしくなった山元は会社が要求する実績に届かなかったので、のちに解雇され日本に戻り、台湾でのロマンスも幕を閉じた。数年後、台湾のガールフレンドが日本に旅行し、再び山元に一通電話した。山元は驚き、受話器を持ったまま妻を呼び、「彼女だ、彼女だ！」と言った。山元の妻は電話に出たのち、ひっそりとその電話を切 っ た。

陳榮和画家はこれからも「Pentel台湾開拓史」の物語を伝えていくため、2年前に彼はん本で山元に電話し面会の約束をした際、山元は東京は遠すぎるから都合が悪いと言ったので、彼は「でも俺はカラスミをお前のためにもてきているぞ！」と言うと山元は「カラスミ？いい香りだ、ちょっと待ってくれ！」と言った。面会のとき、二人とも一回り年を取っていて、山元がカラスミを受け取ったときにまた一袋のPentel衛星工場で生産された絵描き筆もお土産として渡した。

このような何本かの絵描き筆は、一人の画家の半生の苦痛と喜びを描いた；もし生活の中に浮き沈みやなく不条理なら、生きている中で一切の努力と支出がなければ、Pentelの顔料がどんなに美しくても一人の人間を魅力的な色彩に仕立て上げることはできない。Pentelを百點・龍牌・飛龍・潘桃兒……と呼ぼうと、ぺんてるが台湾での絵描き類用品の開拓史では、少なからず台湾の絵描きの場を洗い落とせない色に染め上げたのだ。 

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